虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
だって、今は春なんだよ?暖かいんだよ?
しかもわたしの席、窓際の一番後ろ。
そりゃあ、眠くなるのも仕方ない。
なんて、自分に都合の良い事を考えながら、外を眺める。
・・・・・・にしても、眠い。
目を擦りながら、大きな欠伸を一つ。
そして、机の横に掛けた鞄を手に取った。
春だからっていっても、日が暮れるのは早い。
真っ暗になる前に帰ろうと荷物をつめる。
しかし、新学期の初めとなると荷物が多く、思った以上に時間がかかってしまった。
楽しげに友達を作って遊びに行こうやら、部活に行こうやら、そんな声が飛び交い、どんどん教室からクラスメイトは飛び出して行く。
そして荷物を詰め終わる頃には、周りには誰もいなくなっていて・・・・・・
教室には、わたし以外の生徒は誰一人いなくなっていた。