虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「はあっ、何だと!?」
土方の部屋に響き渡る大声。
原因は、わたしの手に握られている一枚の紙。
熱も下がり、仕事を再開しようとしたわたしが、山南さんの部屋で見つけたものだ。
置手紙、という所だろうか。
でも、内容は・・・
【 江戸へ行ってきます、探さないで下さい。 】
とだけ、書かれたものだった。
脱走は、死罪に値する。
それは・・・総長だろうが変わりはない。