虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


「じゃあ、解散」



そう告げた土方の表情も、少しだが明るい。


このまま、逃げ切ってくれることを、皆願っていた。


というよりも、逃げ切れると思っていた。



だって、馬で追い駆けても、絶対に追い付かないと思っていたから。


死の物狂いで、山南さんが逃げていると思っていたから。


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