虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
わたしは、脇に差した刀を手に取り、左手を少しだけ斬る。
ちょっとだけ、と思ったが意外と深く斬れてしまった。
わたしの手からは、鮮血が零れる。
「何、してるの・・・!?」
「手を斬っただけです」
びっくりしたように、わたしを見つめる明里さん。
でも、これ以上のことをこの人はすると口にしたのだ。
「あなたが死んでも、絶対に山南さんの所へ行けるわけがありません。
死んだら天国へ行くって言いますけど、自殺したら地獄へ行くんですよ?
それなら、自ら死ぬと言ったあなたに、山南さんにあう資格なんてありません」