虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「お願いだから・・・死ぬだなんて、言わないで――――」
わたしは、明里さんを強く抱きしめた。
もう、誰も死んでほしくなかった。
誰も、失いたくなかった。
これ以上・・・目の前から人が消えてしまうのは、耐えられなかった。
ポンポン、と頭を叩かれる。
それは泣き笑いの表情の、明里さんだった。
分かった、と頷き部屋を出て行く姿。
その後姿には、悲しみに染まっていた。