虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


明里さんが、そっと握っていた物を見せてくれた。



「・・・匂い袋?」



フワッとした香りがした。


それは、紛れも無く山南さんの香りだった。


でも、それがどうしたのだろう?



「これはな、敬助はんがうちに、って渡しといたらしいねん。


もうあかんなぁ、あの人は・・・


手渡しで・・・渡して欲しかったのに――――」

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