虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


外は暑くもない、過ごしやすい気温だった。


だが緊張と、恥ずかしさのせいで、変な汗が出ていた。


いつもの癖で、左手で汗を拭おうとした。


・・・切り傷があることを忘れて。



「痛っ・・・!!」



手を広げた途端、傷が完全に開いたのが分かった。


あっという間に、赤く染まる包帯。



「鈴――――!!置いて行くなんて、酷くない!?」


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