虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「それで、雲の話をしていたんです。
山南さんは、星ではなく雲にでもなっているんじゃないか・・・って」
少しでも、少しでも明るい話題へと持っていこうとした。
そのわたしの気持ちを汲み取ってくれたみたいで・・・
「確かに、あの人は明るい、雲の方が似合ってるもんな」
と、平助君は微笑みながら言った。
土手に座りながら、空を見上げる。
浮かぶ雲の中に、やっぱり山南さんを見つけることは出来なくて。