虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


“いつも”のように・・・



だけど、これがわたし達の最後の夜。


いつも通りは、嫌だった。


これ以上のことは、何も望まない。


だから・・・



「平助君、最後の我が儘、聞いてくれますか?」



嗚咽交じりの声で、尋ねる。


そっと目を閉じて、返事を待った。


お願い、最後だから・・・


最後の、最後だから。


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