虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


「いいよ。何でも聞くから、言って?」


そっと、わたしの耳元で、平助君は静かに言った。



「最後に、『鈴、大好きだ』って言って?


強く、強く、今までに無い位・・・


強く抱きしめて?」



わたしの最後の我が儘。


それは・・・これだ。



もう、何も望まない。


何も・・・だって、平助君がいないと、わたしに望むことなんて出来ないから。

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