虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


「うん、じゃあね」



そっとわたしの唇に、平助君の唇が当たる。


最後の、最後のキスだった。


涙が零れる前に、平助君の背中を押す。


行って、と心の中で呟く。



もう、これ以上平助君を見ていたら・・・


泣き出してしまうから。


平助君が御陵衛士に入ると決めたのは・・・


平助君の意思だから。


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