虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「わたしの我が儘で・・・それを潰しちゃ駄目だよね・・・」
誰にも聞こえないように、呟いた。
そっと、歩き出す平助君。
その姿は、だんだんと青空の中に溶けていってしまうようで。
だんだんと涙が流れていた。
もう、この涙を拭う頃、あなたの姿はもう見えないんだろう。
だから、わたしは流れる涙をそのままにして、平助君の背中を焼き付けた。
完全に、その姿が見えなくなった頃・・・
わたしは、平助君との思い出の空へと呟いた。