虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
土方はいつもと変わらない様子で、机へと向かっている。
何を書いているのか、わたしの位置からじゃ見えなかった。
わたしは見るのを諦め、斎藤さんへと視線を戻す。
「・・・何だ」
知らない内に、見入ってしまっていたらしい。
「あ、すみません」
斎藤さんを見ていたが、わたしの頭の中は別のことで一杯だった。
斎藤さんがここへ戻って来ているということは・・・
あの人達が動き出した、ということ。