虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「――――そうですよね」
わたしは、それだけ言ってその場から離れる。
少しだが、辺りに血の臭いが漂ってきたから。
きっと、土方達が帰ってきたのだろう。
その物音に気が付いて、だっと走って行く斎藤さん。
その後姿を、そっと見送る。
ガヤガヤと、屯所の前が騒がしくなってきた。
どうなったのか・・・
わたしには、あまり関係のない話だ。
だって、わたしは平助君さえいればそれでいいのだから。