虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
曲がり角に差し掛かった頃、自分の視界に、人影が飛び込んだ。
「あ、すいません」
わたしはとっさに謝る。
ぶつかってしまった相手は尻餅をついていた。
「えっと・・・・・・あの、大丈夫ですか」
あー、もう。早く帰りたいんですけど。
ぶつかったのはわたしだけど、そんなことは関係ない。
わたしは早く帰りたい、ただそれだけなのだ。
「・・・・・・大丈夫」
なかなか起き上がらないから、大丈夫じゃないのかと思った。