虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


「死なないで!!

お願いだから・・・置いて行かないで・・・っ」



だけど、そう言っても時間は待ってくれない。


平助君は、わたしを安心させようとしたのか・・・


もう一度、笑った。


あの時の、太陽のような笑顔で。



「鈴――――大好きだっ、たよ。

誰よりも、誰よりも・・・」



そう言って、平助君は目を閉じた。


口元に笑みを湛えて。


平助君は、もうピクリとも動かない。

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