虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
誰かが廊下を走ってくる気配がした。
俺は、それを無視して部屋を飛び出す。
「お・・・いっ、何だよ、これ・・・っ!!」
屯所の入り口に立っていた、新八の背中には・・・
血を流しすぎたであろう、無残な平助の姿があった。
そして原田の手の中には、隊服が真っ赤に染まっている、睦月。
「土方さん・・・平助が・・・
平助が、死んじまった・・・っ」
顔をクシャクシャにし、涙を堪える新八。