虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「ん、桜かぁ。ここの庭の桜も綺麗だけど、壬生寺の桜も綺麗だよ。君、桜好きなの?」
そう尋ねてくる藤堂さんに、少しばかりの間が空いた。
「・・・桜は好き。でも、見に行くのはまだいい。」
そんなわたしの返答に首を傾げる藤堂さん。
「なんで?早く見に行かないと散っちゃうよ?」
「・・・散っていく桜が好きなんだ」
そう言いながら、満開に咲いている桜を見上げた。
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