虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「これ、平助の」
そっと手を掴まれ、手の平にある物を置かれる。
それは・・・今、わたしの髪にも付いている、浅葱色の髪紐だった。
そうか・・・だから、平助君の頭にはこれが付いていなかったんだ。
それを見たとたん、視界がぼやける。
グッと眼を瞑り、涙が零れないように・・・
「無理して、笑わなくてもいい。
泣いても、お前は弱くない」
――――な?
と、微笑む土方。
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