虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「はは・・・夢か」
夢の中で、空を切った手の平を見つめる。
わたしの手には・・・あの髪紐が握られていた。
「何で・・・今、あんな夢見るかな・・・?」
声が、なぜか震えていた。
あの夢のせいで、平助君がもういないと、改めて思う。
空しくて、悲しくて・・・寂しくて。
「睦月、今だけは我慢しなくていいよ?」
優しく、微笑む一条。
その姿に、平助君が重なる。
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