虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
どうして・・・今まで、ずっと・・・
何年間も、ここに人が立ち入っている所は・・・
見たこと、無かったのに。
でも、桜の木を見てはしゃいでいる姿は、とても微笑ましかった。
クルクルと笑う、その男の子がわたしに近付いて来た。
その子の目は・・・平助君に、そっくりだった。
ねぇ、お姉ちゃん。 そのお墓って誰のお墓なの?」
好奇心旺盛なのだろう。
名を、皐月と言う男の子は、わたしに聞いてくる。
子供の好奇心って・・・時には恐ろしいな。
「この人はね、わたしが大好きだった人なの。
だけどね、わたしを守って死んじゃったんだ」