虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
◇一条 玖於side ◇
さわさわと葉が揺れ、砂利道に静かに影と木漏れ日が落ちる。
そんな静かな場所で、一人、俺はあるものを見つめていた。
――――そっと、墓石の前に座る二人の影。
小さな男の子と・・・・・・細い、女の人だった。
二人とも、鈴の墓の前でジッと動かない。
「あの・・・・・・鈴の知り合いですか?」
俺の存在に気がついていないのか、悲しげに頭を垂れる彼女に、俺はそっと話しかけた。
驚いたように顔を上げた、二人。
俺は、その女の人に見覚えがあった。