虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「そうか?ならいいけど・・・なんかあったら言ってくれていいからな!」
優しい人だ。でもその優しさが反って辛い。
「はい」
そう短く返すと藤堂さんはニコリと笑った。
「じゃあ、朝餉行くか」
わたし・・・朝ごはん食べないんだよね・・・
「あの・・・俺、朝餉いらないです」
言いにくかったのでとても小さな声になってしまった。
「はぁっ?だめだって!とにかく行くよ!」
背中をグイグイ押される。わたしは必死に抵抗した。