わらって、すきっていって。

京都の抹茶パフェは絶品だった。どきどきが吹き飛んでしまうくらい絶品だった。さすが雑誌に載るくらい有名なお店だ。

それでも、能天気にパフェを頬張るわたしに、えっちゃんは容赦ない。


「そういえばさあ、あんこっていつから本城のこと好きなの?」

「――ぶっ」


気管支に白玉団子がつっかえるかと思った。


「だって同じクラスになったのって今年がはじめてでしょ? なのにあんた、わりと最初のほうから好きだったじゃん。どのタイミングで好きになったのかなあって」

「……い、1年生の、夏」

「はあ!? そんな前から!? なんで!?」

「走ってるとこ見て……ひ、一目惚れ、して……」

「一目惚れえ!?」


だからえっちゃんは声が大きいんだよ!


「じゃあ、もしかして同じ委員会になるまで話したこともなかったとか?」

「うん……」

「ひえー。すごいねえ」


さっきまであんなに美味しかったパフェの味、まったく分からなくなってしまった。

恥ずかしい。たぶんわたしいま、真っ赤な顔をしていると思う。

はじめて話す、本城くんを好きになった理由。いまどき中学生でもしないような片想いを、えっちゃんはそれでも興味津々で聞いてくれた。やっぱり半分は面白がっているんだろうけど。
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