ハンドパワー
「行かない理由、新くんが知ってるから
じゃあね、体育祭頑張って、優勝してね」
『え? ちょっと…』
ピッ
話の途中で電話を切ったっていうことは、わかってる。
でも誰に何を言われようとも、私は体育祭を欠席する。
「何で行かないんだよ、体育祭」
「もう誰にも会いたくないから」
「は?」
「多分もう、私のこと学校ではほとんどの人が知ってる。
嫌な目に遭いたくないんだ」
「そんな理由で体育祭を欠席するなんて、認めないよ」