ハンドパワー

一気に込み上げてきた感情を、ハルにぶつけた。

「ゴメンな。
俺、温秘の両親がどうやって亡くなったか。

そう、温秘の過去を。
でも教えることができないんだ


だから温秘が苦しむことになる。

俺はなるべくその姿を見たくないんだけど…
でもダメなんだ…

ゴメンな…」

全身の力が抜けていった。


涙が出そうになった。

でも私は2人と約束した。

もう泣かないって。 強くなるって。


「は………る……」

「うん?」

「私今日ね、蘭と新くんと約束したんだ」

「何を?」


「もう過去の自分で泣かないって。 強くなるって」

「いいことじゃん、それ」
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