ハンドパワー
第10話
夜が深まり、私は眠りについた頃。
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「おかあさーん! お母さん!!
おとうさーん!!」
火に包まれている自宅。
それを前にして私は泣きながら両親を呼んでいる。
「出てきてよ!!
出てきて!
私のお母さんとお父さんを助けてよ!!」
私は消防士に必死にすがった。
言われる前に必死に救助しようしている消防士。
でも…
「あなたは人を助ける消防士なんでしょ?!
それなのにどうしてお母さんとお父さんを助けてくれないの!!」
救助活動が続いているのにも関わらず、私はとにかく消防士を責めていた。