ハンドパワー
「そうかもしれないけど…」
無理だよ。
両親をあんな目に遭わせて、平気でいられないよ。
私、本当になにもしなくていいの?
償わなくていいの?
なんだか今夜が恐ろしい。
1人でいたくないな。
怖いよ。
「春、今夜一緒に寝てくれない?」
つい小さい子供が言うことを言ってしまった。
「過去を思い出して、甘えたくなったか?
まぁいいよ。
俺が温秘の不安を消してあげるよ」
冗談交じりに言ってたけど、春は本当の狙いをわかってくれていた。