ハンドパワー
この前みたいに、また居間に座った。
ここでみんなで話すみたい。
目を奥にやると、そこには渡辺さんの息子、渡辺貴雄がいた。
「どうしてあなたがここに…」
「いいじゃねぇか、ここは俺の実家なんだから」
それはそうだよね…
逆に私がここにいたらいけない存在なんだった。
「でもコイツは違うけどな」
そしてもう1つ、渡辺貴雄は付け加えた。
渡辺貴雄が指したのは… 北郷勇人だった。
「なんでここにいるの?」
「いいじゃねぇか、べつに」