唯一無二のひと


「島田さんのことだけど…」


由紀恵はコホンと小さな咳払いをして話始めた。


「急に結婚したのは、理由があるの。」


由紀恵は、目の前にいる豪太の顔を見ながら言う。


「島田さんはね、昔から腎臓が悪いの。それでもなんとかやってきたんだけど、ここ何年かで急に機能が低下してしまって、今は人工透析を受けながら、なんとか整体師の仕事をしているの。」


「人工透析……?」


秋菜と豪太はほぼ同時に呟き、顔を見合わせた。
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