リアル
病院の駐車場に到着し、無言のままサトシの病室に向かう。
昨日とは違って人の声が響く明るい廊下を歩く。
「ハル・・・」
タツが呟いた。
昨日と同じ場所に昨日と同じ形で下を向いているハルを自動ドアの向こうに見た。
ガラスの部屋にいるサトシも昨日と同じ形で寝ていた。
床を見つめ続けるハルにキイチが話し掛けた。
「サトシどう? 昨日と変わらんの?」
ハルは目線を変えず頷くだけ。
「おばちゃん達は?」
「先生んとこいっちょるよ」
小さく答える。
サトシは相変わらず規則正しいリズムで胸を動かし続けていた。そこ以外が動いた形跡は全くない。
俺達も昨日と同じ位置で、サトシを見つめる。
何も喋らず、サトシの事だけを考えながら、時間だけが過ぎていく。
自動ドアが開いた。おばちゃんがおじちゃんに肩を握られながら入ってくる。
ゆっくり歩く二人に目は、昨日よりもっと赤く腫れているように見えた。
昨日よりもここが明るい所為なのか、昨日よりもっと悲しいことがあったのか。俺にはわからない。
昨日とは違って人の声が響く明るい廊下を歩く。
「ハル・・・」
タツが呟いた。
昨日と同じ場所に昨日と同じ形で下を向いているハルを自動ドアの向こうに見た。
ガラスの部屋にいるサトシも昨日と同じ形で寝ていた。
床を見つめ続けるハルにキイチが話し掛けた。
「サトシどう? 昨日と変わらんの?」
ハルは目線を変えず頷くだけ。
「おばちゃん達は?」
「先生んとこいっちょるよ」
小さく答える。
サトシは相変わらず規則正しいリズムで胸を動かし続けていた。そこ以外が動いた形跡は全くない。
俺達も昨日と同じ位置で、サトシを見つめる。
何も喋らず、サトシの事だけを考えながら、時間だけが過ぎていく。
自動ドアが開いた。おばちゃんがおじちゃんに肩を握られながら入ってくる。
ゆっくり歩く二人に目は、昨日よりもっと赤く腫れているように見えた。
昨日よりもここが明るい所為なのか、昨日よりもっと悲しいことがあったのか。俺にはわからない。