リアル
部屋に入り電気をつけ、携帯に目をやる。
こっちに帰ってきたのは昨日、上司に電話し休みを貰った時間は今日と明日、その約束を守るのであれば明日東京に戻らなければならない。
明日戻る? まだ起きないサトシを置いて?
考えながらも東京に戻る気が全くない自分に気付く、迷ってるふりを繰り返す頭の片隅で、戻れない理由を上司に報告する言葉を必死に探す自分がいる。
ここに居たい、戻れないんじゃない、戻りたくない。
ずっと頭の底で考えない様にしてきたことをいま確信した。
俺はサトシのことを思い、自分の為に帰ってきたんだ。そしてサトシのことを思い自分の為にここに残る。自分の心が少しでも楽になる様に、これまでの自分の状況から逃げ出す為に、嫌なことから逃げ出す為に、サトシの現実を利用したんだ。
やっぱり俺は最低だった。
目を開けると窓から薄日が差していた。またいつのまにか寝ていたらしい。
時計は午前六時を表示していた。後三時間後に俺は携帯を握り、気の進まない電話を掛けなければいけない。
深く息を吐きながら立ち上がり洗面所に向かった。昨日と同じ顔がそこに映る。
こっちに帰ってきたのは昨日、上司に電話し休みを貰った時間は今日と明日、その約束を守るのであれば明日東京に戻らなければならない。
明日戻る? まだ起きないサトシを置いて?
考えながらも東京に戻る気が全くない自分に気付く、迷ってるふりを繰り返す頭の片隅で、戻れない理由を上司に報告する言葉を必死に探す自分がいる。
ここに居たい、戻れないんじゃない、戻りたくない。
ずっと頭の底で考えない様にしてきたことをいま確信した。
俺はサトシのことを思い、自分の為に帰ってきたんだ。そしてサトシのことを思い自分の為にここに残る。自分の心が少しでも楽になる様に、これまでの自分の状況から逃げ出す為に、嫌なことから逃げ出す為に、サトシの現実を利用したんだ。
やっぱり俺は最低だった。
目を開けると窓から薄日が差していた。またいつのまにか寝ていたらしい。
時計は午前六時を表示していた。後三時間後に俺は携帯を握り、気の進まない電話を掛けなければいけない。
深く息を吐きながら立ち上がり洗面所に向かった。昨日と同じ顔がそこに映る。