リアル
突然鳴るのが携帯電話の役割だとわかってはいるけど、いつまでたっても慣れることができず、鳴り出す度に変な声を出しそうになるくらい驚いてしまう。ビクつく体を抑えながら、ポケットをまさぐる。
表示されていた名前は地元の友達だった。
「なに?」
焦っていたせいか、かなり素っ気ない口調で電話にでてしまった。
「ヒロ、いま外?」
「いまから遊び行くけー外おる。なんかっちゃ」
「いま電話しちょっても大丈夫なん?」
「ええけどなんなん? 長話し?」
いつもとは違う、なにか探るような感じの言葉が気にかかった。
「いや、そんなでもないけど」
「なんなん?」
「とりあえず報告っつーか、連絡しとこうと思ったんやけどね」
「なにを?」
「昨日、サトシが事故ったんちゃー」
「はぁ? また事故ったん? 大丈夫なん? また田んぼにでも突っ込んだ?」
サトシが事故ったのはこれで4度目、内廃車2回。いずれも本人かすり傷のみ。本人曰く奇跡の生還らしい。
「今度は田んぼやない、山に突っ込んだ」
「山ってどこの山?」
「美祢のバイパス」
「なんであんな車もあんま通らんようなとこで事故ったん?」
「飛ばし過ぎらしいって、まだよーわからんけど」
「まだわからんって、サトシにまだ会ってないん?」
「会ったよ」
表示されていた名前は地元の友達だった。
「なに?」
焦っていたせいか、かなり素っ気ない口調で電話にでてしまった。
「ヒロ、いま外?」
「いまから遊び行くけー外おる。なんかっちゃ」
「いま電話しちょっても大丈夫なん?」
「ええけどなんなん? 長話し?」
いつもとは違う、なにか探るような感じの言葉が気にかかった。
「いや、そんなでもないけど」
「なんなん?」
「とりあえず報告っつーか、連絡しとこうと思ったんやけどね」
「なにを?」
「昨日、サトシが事故ったんちゃー」
「はぁ? また事故ったん? 大丈夫なん? また田んぼにでも突っ込んだ?」
サトシが事故ったのはこれで4度目、内廃車2回。いずれも本人かすり傷のみ。本人曰く奇跡の生還らしい。
「今度は田んぼやない、山に突っ込んだ」
「山ってどこの山?」
「美祢のバイパス」
「なんであんな車もあんま通らんようなとこで事故ったん?」
「飛ばし過ぎらしいって、まだよーわからんけど」
「まだわからんって、サトシにまだ会ってないん?」
「会ったよ」