リアル
いや、今そんなことを再確認している場合じゃない。
何やってるんだろ俺。
洗面所へ行き顔を洗い、居間にいる母さんに声を掛けた。「サトシんとこ行ってくるわ」
「一人で行くん?」「うん」
靴を履きながら応える。
「連れてっちゃろうか?」
「ええ、歩いてく」
空は気持ちがいいくらい晴れていた。太陽の下を歩くのがとても久しぶりに思えた。
何年経っても代わり映えのない町並み、本当に東京とは時間の流れ方が違うように思う。町も人も時間の感じ方も、全てがゆっくりでたまに止まってるんじゃないかと思うほどだ。
俺自身の歩き方も東京の道を歩く時とはまったく違う気がする。
東京ではなんか全部閉じている、目も心も自分の進む方向しか見えていない。
人と人の隙間しか見えてない感じ。
いや、見えてないんじゃないな、見てないんだ。そんなことをぼーと考えている内に、サトシのいる病院に着いた。
サトシの病室には誰もいなかった。ガラスを隔てて、俺とサトシ二人だけの空間。ハルはいるような気がしていたのに。
何やってるんだろ俺。
洗面所へ行き顔を洗い、居間にいる母さんに声を掛けた。「サトシんとこ行ってくるわ」
「一人で行くん?」「うん」
靴を履きながら応える。
「連れてっちゃろうか?」
「ええ、歩いてく」
空は気持ちがいいくらい晴れていた。太陽の下を歩くのがとても久しぶりに思えた。
何年経っても代わり映えのない町並み、本当に東京とは時間の流れ方が違うように思う。町も人も時間の感じ方も、全てがゆっくりでたまに止まってるんじゃないかと思うほどだ。
俺自身の歩き方も東京の道を歩く時とはまったく違う気がする。
東京ではなんか全部閉じている、目も心も自分の進む方向しか見えていない。
人と人の隙間しか見えてない感じ。
いや、見えてないんじゃないな、見てないんだ。そんなことをぼーと考えている内に、サトシのいる病院に着いた。
サトシの病室には誰もいなかった。ガラスを隔てて、俺とサトシ二人だけの空間。ハルはいるような気がしていたのに。