リアル
「はぁ?」
 頭の奥が熱くなった気がした。
「やからな、もう、起きんのって」
「起きんって、何?」
 おじちゃんの言葉の意味がわからなかった。
 「・・・もう目があかん」
 いや、俺はわかってた。だってずっと想像していたんだ。こうなることを・・・。サトシの事故を聞いた瞬間から、サトシの姿を見る前から・・・。
 こうなることを予想していた。
 なのに・・・。
「なんで! まだ事故って四日しか経ってないやん! なんでそんなことになるん?」
 気が付いたら大声でおじちゃんに向かって怒鳴り上げ、おじちゃんの腕を掴んでいた。
 おじちゃんの目には、こぼれそうなほどの涙・・・。
 俺の目からはもう既に涙がボロボロとこぼれ出ていた。
「サトシな、頭をぶちぶつけたみたいでな・・・」
 おじちゃんは腕を握りしめてる俺の手にそっと手を被せた。
「もう、脳みそがダメになってしもうたんて・・・。もう、動いてないんて・・・。もう、動かんのって・・・」
「嘘や。だって、息しよるもん。聞こえるもん」
 溢れ出てとまらない涙が口の中に流れ込んでくる。
「そうなんやけどな・・・」 
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