太陽と月



相手の女子は不思議そうな顔をしている。


俺何か変なこと言ったか?


男としては当然のことを言ったつもりだけど。


「今日どこもいっぱいですよ?」


え…?


彼女の言葉に耳を疑う。


駐輪場AからJまでをゆっくり見る。


本当だ…どこもいっぱいだ。


いつもならこんなことないのに…。


「ちょっとずつ寄せたら入るかも知れませんね」


彼女はそう言うと自転車のスタンドを立てて既に駐輪されている自転車を寄せ始める。


俺も慌ててスタンドを立てて彼女を手伝うように自転車を動かす。


それにしても、何で今日はこんなにいっぱいなんだ?



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