太陽と月
「陽…!」
さっき見ていた問題集の場所に戻ると、声をかけられた。
見ると、今年初めて同じクラスになって仲良くなった武田真。
真はよく名前の読み方を間違えられる。
“まこと”じゃなくて“しん”だ。
「真…お前も来てたのか?」
真はにやにやしながら近寄ってくる。
何だよ気持ち悪い…。
「あの子誰?」
“あの子”とは、俺の席の前に座っている彼女のことらしい。
「さぁ…同い年ってことしか知らないけど?」
事実を述べただけなのに不服そうな顔をする真。