太陽と月
「阿部…?」
私の名前珍しいから読めないみたい。
「“つきか”って読むんです」
「あぁ…え…ひかりって…女子高?」
私が頷くと、素直に驚いている彼。
「あの…もう1枚にあなたの名前書いてもらえますか?」
彼は慌てた素振りを見せる。
「俺何してんだろ…他人に訊いて自分言わないとか…」
そう言いながらシャーペンを紙に走らせてる。
「はい、これです」
“南高校
野村陽”
南高校って…すごく頭良い学校だよね?
「それ、“あきら”って読みます」
太陽の陽で“あきら”…。
良い名前。