太陽と月
美貴さんが家に来るのは1ヶ月ぶり。
“イギリスに留学中…”ってお兄ちゃん嘆いてた。
そっか、今日のお兄ちゃんが今朝から特にテンションが高かったのは美貴さんに会えるからだったんだ。
「3人でファミレスにでも行くか?」
珍しいお兄ちゃんの提案。
「行く!」
私が即答するもんだから、美貴さん笑ってる。
「じゃあリュックを部屋に置いてきなさい」
わざと“お兄ちゃん”っぽく言うお兄ちゃん。
私は笑いを堪えながら部屋に向かう。
ふと本棚の1冊の本が目に留まる。
背表紙には“太陽について”って書いてある。
昔本屋さんで買った本。
自分の名前に“月”があるから逆に“太陽”について知りたかったんだ。