太陽と月
リビングに戻ると、お兄ちゃんと美貴さんが立って待っていた。
「お待たせしました」
わざと気取って言ってみる。
「じゃあ行くぞー」
3人で家を出て歩く。
ファミレスは歩いてすぐの場所にある。
小さい頃から行きつけの場所。
“ファミレス”って言えばそこになってるくらい。
「月花はまたあれ?」
私はいつも食べるものが決まっている。
“あれ”とは“ちょうどいいサイコロステーキ”のこと。
「もちろん!」
「月花ちゃん毎日図書館に行ってるの?」
お兄ちゃんから聞いたのかな?
私まだ美貴さんに言ってないもん。
「はい。勉強しないといけないから」
「家だとできないもんね?」
美貴さんはお兄ちゃんの私に対する態度を知っている。