太陽と月
トントントントン…
母さんの足音が聞こえる。
「あき?起きてるの?」
ほら、やっぱり。
「起きてる起きてる」
今日は返事をしてベッドから降りる。
彼女の名前が書かれた紙はそっと荷物の中に入れる。
いつものように汗を拭いて着替える。
その間、俺の頭の中には昨日の彼女の顔があった。
いかにも純粋そうな感じ。
俺は昨日図書館を去る時彼女の視線に気づいて軽く手を上げた。
実はすごく緊張したんだけど。
その時の彼女の表情は“かわいい”としか言えなかった。