太陽と月



大きな荷物を持ってリビングに行くと、珍しく悠樹がいない。


「あれ…悠樹は?」


「それがね…お腹が痛いってトイレにこもってて」


母さんが心配そうに言う。


俺はトイレに向かう。


「悠樹?大丈夫か?」


「兄ちゃ…ん」


泣くのを堪えている悠樹の声。


「開けるぞ?」


ガチャ…


ドアを開けた瞬間、悠樹の目から大量の涙が落ちる。


そんなに痛いのか?



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