太陽と月
それぞれの試練
陽side
悠樹の腹痛がおさまってから約1時間。
俺たちは家から30分程のばあちゃんの家に到着した。
悠樹の顔は心なしか緊張している。
悠樹だけじゃない。
俺も姉ちゃんも同じ。
嫌われていない父さんと母さんまでも。
みんなが3日間何も起こらないことを祈っている。
ガラガラ…
「母さん、戻りましたよー」
毎回恒例の父さんの呼びかけ。
奥からおじさん夫婦とばあちゃんが出てくる。
「いらっしゃい、よく来たね」
玄関はいつもこう。
誰が見ても“優しいおばあちゃん”なんだ。
でも、人って分からないから。