太陽と月
「香奈ちゃん、お手伝いお願い!」
おばさんが姉ちゃんをキッチンに誘う。
まずは姉ちゃんを救出したんだ。
おじさんとおばさんは分かってる。
父さんと母さんの前ではばあちゃんも何も言わないってこと。
でも、やっぱり俺たちが辛いってことも。
「父さん、部屋借りて良い?」
俺は勉強に逃げたい。
でも、悠樹がかわいそうだ。
「あぁ…良いけど?」
「悠樹も宿題まだ残ってるんだろ?少しでもやっとこ?」
頷く悠樹を連れて父さんが子どもの頃使っていた部屋に入る。