太陽と月



あまりにも見つめすぎたからか、その人がこっちを見た。


「はい、入れたよ?」


悠樹は嬉しそうに俺が持っているかごに野菜を入れていく。


「おぉ、サンキュー」


“次はピーマン”って言いながら歩いて行く。


「あの…陽さんですか?」


間違いない。


この声、この雰囲気。


“双子の姉妹です”なんて言われても信じないぞ。


「月花さん…ですよね?」


彼女も嬉しそうに微笑んだ。


「この辺りに住んでいらっしゃるんですか?」


彼女の声は澄んでいてきれいだ。


名前と同じだ。



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