太陽と月



「え…志乃?」


私と彼は2人で目が点になってる。


「月ちゃん、悠樹私と学校同じ。同級生だよ」


そうだったの…。


「兄ちゃん、誰?」


「図書館で向かいの席なんだよ。阿部月花さん。志乃ちゃんのいとこだって」


彼は“お兄さん”の顔をしている。


私はまた昨日の不思議な気持ちになる。


「こいつ俺の弟の悠樹。小4」


彼が悠樹くんを紹介してくれた。


悠樹くんはずっと“つきか?”ってつぶやいている。


「悠樹くん?私の名前、月の花って書くの」


私が悠樹くんの目線に合わせて言うと、納得してくれたみたい。



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