太陽と月
そういえば買い物の途中だったんだよね?
「じゃあ…また会えたら良いですね」
私はそれだけ言ってレジに進む。
彼も“そうですね”って言いながら歩いて行った。
もっと話していたい、そんな気持ち。
お兄ちゃんやお父さん、響に対して抱いたことのない気持ち。
何なんだろう…。
「月ちゃん、あの人のこと好きなんでしょ?」
会計を終えてエコバッグに品物を入れている最中。
「え…!?」
私は志乃の言葉に耳を疑う。
私が彼を好き?
今まで異性に恋愛感情を持ったことのない私。
自分で考えても分かる訳がない。