太陽と月
悠樹はトコトコと俺に寄って来る。
「どしたの?」
「姉ちゃん何かあった?」
さっきの姉ちゃんはとにかく変だ。
「姉ちゃんが?んー…」
素直に考えてくれる悠樹。
反抗期が来たら変わってしまうのか?
「分かんないや。ごめんね?」
申し訳なさそうに俺を見上げる悠樹は正直かわいい。
「大丈夫。ちょっと変だっただけだから」
俺は悠樹の頭をひと撫でして家の中に入る。
いつもと同じ時間。
やっぱり父さんの血を引いてんだな…。
俺は部屋に戻って図書館セットを持つ。
玄関に行こうとして、姉ちゃんが置いていった本に気づいて手に取る。