太陽と月



「あとちょっとだからな」


俺は右手でエコバッグを持って、左手で悠樹を支えている。


「うん…」


悠樹は相変わらず辛そうだ。


「…着いたぞ」


やっとばあちゃんの家に着いて、玄関に向かおうとする。


でも、方向転換して裏口に向かう。


その時一瞬見えた。


隣の家の表札。


“阿部”って書いてあった。


まさかとは思うけど、今はそれどころじゃない。


悠樹が大変だ。



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