太陽と月



俺は“うん”とだけ言って悠樹と俺の荷物を持つ。


母さんは何かを感じたのか、黙って俺の後ろをついてくる。


ガチャ…


部屋に戻ると、悠樹はやっぱり苦しそうだ。


「悠樹…!?」


母さんは“予感的中”って顔をしながらも心配そうだ。


俺は悠樹の鞄から例のタオルを取り出して悠樹に渡す。


「悠樹…ほら」


悠樹はよほど辛いのか目に涙を溜めている。


何か病気じゃないよな?


そうだとしても、今はお盆。


ほとんどの病院が閉まっている。



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